応用編

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セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる - ワグナー・ジェームズ・アウ (著), 滑川 海彦 (監修), 井口 耕二 (翻訳) - 日経BP社

セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる


「セカンドライフの中でどんなことが起こっているのか?」を知るための決定版とも言える一冊。
現在日本国内ではセカンドライフについてネガティブな意見が多く出ているが、日常的にログインしている者の目から見ると、どれも踏み込みが浅く”リアルな”姿を理解しているとは言い難いものばかりだった。


本書の著者であるワグナー・ジェームズ・アウ氏は、2003年よりセカンドライフを運営するリンデンラボ社と、セカンドライフのインワールド双方に飛び込み密着取材を行った。そして現在もセカンドライフブログ「New World Notes」を執筆し続けている。本書はその集大成であり、まさに”セカンドライフ年代記”とも言えるインサイドストーリーとなっている。


著者はリンデンラボ社のファウンダーのミッチ・ケイパー氏や元CEOで現会長であるフィリップ・ローズデール氏、元CTOのコーリー・オンドレイカ氏など社内スタッフがどのようなことを考えセカンドライフを作ったか、そして育てて現在のようなサービスにしたかを丁寧にレポートすると同時に、その中(インワールド)でユーザーたちがどのような人間ドラマを繰り広げたかをその都度自身の考察も交えながら紹介していく。
著者は、自ら自分に似せたアバターを作り、インワールド・リポーターとしてユーザーの中に入り、実際に当事者にインタビューまでして取材するが、とり上げられるテーマは、恋愛と欲望、戦争と迫害、思想の対立、民主主義、ビジネス、知的所有権など現実世界と全く変わらない実に人間臭い「事件」ばかり。本書を読むと、仮想世界とはいえアバターの裏にいるのは血の通った人間なのだということが改めて実感できる。そして、アバターという仮の姿を纏っていながら、いや纏っているからこそ現実世界以上に生生しい感情をさらけ出してしまう仮想世界の不思議さに気付かされる。
純粋に読み物としても面白い本なので、セカンドライフにログインしたことのない人や初心者ユーザーでも興味深く読み進められると思うが、へヴィ・ユーザーでも十分楽しめる内容ではないかと思う。ちなみに筆者も「こんなグループやSIMがあったのか」と本書を読んで初めて知った事柄も多かった。


尚、本書で追っている内容は2007年の夏までのものだが、著者のブログ「New World Notes」は今でも毎日更新されている。筆者としてはぜひ「Vol.2」も刊行して欲しいと願っている。


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原書はこちら↓


New World Notes
http://nwn.blogs.com/


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