
この「Tokyo Jewelers」はその名のとおり”ジュエリー”に特化した季刊雑誌だ。「アクセサリーと仮想世界(3D)と一体何の関係が?」と思うかもしれない。しかし現在、ジュエリー、特に「ファインジュエリー」「ハイジュエリー」と呼ばれる高価なジュエリーの原型は3DCGソフトで作られるケースが多くなっている。
これまでアクセサリーの原型は、デザイナーが描いた2次元のデザイン画を見て原型師がアクセサリー用の「ワックス」を盛ったり削ったりして彫刻する・・・という手法で作られてきたが、それだと手間暇もかかるし「同じ原型を複数個作る」といった場合への対処も大変だった。しかし3DCGソフトで原型を設計し「データ」として作ってしまえば、後は3Dプリンタでいくらでも複製を作ることが可能だし、時間と経費の節約にもなる。
この「Tokyo Jewelers Vol.57」では、株式会社ビジュー・サトウ代表でジュエリービジネスプロデューサーの佐藤善久氏が、そんなアクセサリー原型の「デジタル事情」を分かりやすく解説している。氏の記事「『デジタルジュエリー』その現状と方向性」(本誌72pより)によれば、ジュエリー製造の現場では既に10年以上前から「CAD」で原型が作られているという。氏はこのようなデジタルで作られたジュエリーを「デジタルジュエリー」と名づけ、昨年8月に「デジタルジュエリー協会」を立ち上げたとのこと(mixiにコミュもあるそうなのでmixiユーザーは探してみよう)。
今ではCADデータをWebブラウザ上で見られるようファイルを変換してくれるソフトもあるので、ジュエリーの発注者はWebページから自分が注文したデザインの完成図を確認できるまでになっている。
さて、そこから次の展開として考えられるのは、このデータの活用場所を仮想空間内にも広げるということだ。氏の記事ではPlayStation®Homeを例にとり、ジュエリーの原型データを使って仮想アイテムを作り、アバターに装着させショッピングにつなげるアイデアが提示されている。
デジタルデータの活用、さらに新たなショッピングスタイルやファッションのメディアミックス戦略を考える上でも読んでおいて損はないだろう。


