応用編

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NIRVANA

ニルバーナ


1997年に公開されたイタリア・フランス合作のサイバー・パンクSF映画で、同年の第50回カンヌ国際映画祭にて特別招待作品として公開された作品。日本国内での知名度は低いものの、欧米では「ブレード・ランナー」と「マトリックス」シリーズの間を繋ぐ作品と言われている隠れた名作だ。


同作品の主人公は、日系巨大ゲーム企業「オコサマ・スター社」に所属する天才プログラマーの「ジミー」。ジミーは1年に1作のペースで優れたゲームを製作しているが、最新作「ニルヴァーナ」の締切が近づいているというのに1年前に失踪した恋人の影を未だに引きずりなかなか完成できずにいた。そんな中、製作途中のニルヴァーナが新種のウイルスに感染しプレイヤー・キャラ「ソロ」の自我が覚醒してしまった。ソロは「同じことの繰し」である人生にウンザリし創造主であるジミーに”解放”を懇願する。そこでジミーは会社のホストコンピューターに侵入しニルヴァーナのプログラムを消去するため、腕の良いハッカー仲間を頼る旅に出るのだが、次第に恋人の失踪理由と足取りにもリンクしていく…というもの。


全編にわたってリアル世界とゲームの中の世界が交互に描写され混ざり合うように進行していく演出が面白い。しかし最も秀逸なのはラストのホストコンピューターへのハッキングシーン。侵入するハッカーが「エンジェル」と呼ばれ、それを撃退するプログラムが「デビル」と呼ばれ双方が”擬人化”されているのだが、一連のハッキングプロセス全てが3Dの仮想世界となって表現されているのだ。「エンジェル」は仮想世界化されたホストコンピューターの中に入るのだが、行く先々で「デビル」に会う。この「デビル」は、「エンジェル」となったハッカーの心に潜むトラウマを具現化し、会話し混乱させることによって「エンジェル」の行く手を阻む。つまり、ハッカーはハッキングプロセスにおいて自分のトラウマと対峙し、乗り越えなければコンピューターをハックすることができない。
この仮想世界内の視点とリアル世界の部屋のカットバックが効果的で、まさに手に汗握るスリリングなシーンとなっている。ハリウッド大作のような派手さは無いが、静かでどこか哲学的な不思議な雰囲気の漂う作品だ。因みにタイトルの「NIRVANA」は仏教語で「涅槃」を意味するサンスクリット原語。


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