タイトルこそ「仮想世界で暮らす法」だが、本書でとり上げられるのは所謂”仮想世界”だけではない。セカンドライフも解説されてはいるのだが、あくまでもそれは多くのWeb2.0的サービスの一つとして紹介されており、それ以外にもブログやmixi、YouTube、Twitter、Rimo、Winny、ニコニコ動画などをとり上げ、そもそも「Web2.0」とはどういうものなのかを俯瞰の視点で語っている。
特に面白いのは巻末に収録されている著名な脳学者である池谷裕二氏との対談。対談中に著者が語る「脳にチップを埋め込みたい」という話は非常に興味深く夢が膨らむ。著者はパソコンや携帯を開かなくても考えただけでメールが送れるようになったら便利だろうと語るが、これは昨年に慶応大が開発した「脳内イメージでセカンドライフ内を散歩できる技術」と基本の発想は同じかもしれない。
近い将来、人間の脳にチップを埋め込むことにより「思考」だけでメールを送ったりチャットで会話をしたり、仮想世界の中で様々な活動ができるようになれば、病気や障害で普段は自由に動き回れない人でも、健常者と同じか若しくはそれ以上に活発な日常生活を送れるようになるだろう。そう考えると、「脳内チップ」も決して荒唐無稽な妄想ではなくむしろ「人間の進化の過程」ではないかと思えてくる。









