「”ゲーム”とあるから仮想世界とは関係無いのでは?」と一瞬思ってしまうが、ViZiMOやmeet-me、ダレットワールド、〔iA〕と、当サイトでも何度も取り上げている国内産メタバースの記事が掲載されており、さらにSNSやIPTV、ニコニコ動画とのサービス比較もあるので、内容はゲームに留まらず幅広くWeb2.0的サービスを分析する内容となっている。またソウル中央大学の魏晶玄(ウィ・ジョヒン)教授による韓国のオンラインゲーム市場のトレンド分析も興味深い。
各記事の執筆者の多くは先日行われた「OGC 2008(オンラインゲーム&コミュティサービスカンファレンス)」の登壇者と重複しているが、どの記事も同イベントでのスピーチよりさらに一歩踏み込んだものとなっている。(ちなみに当サイトの編集長である箱田もP.36「バーチャルワールドの現在とその活用動向」を執筆していたりする)
一通り読んで感じるのは、「仮想世界とオンラインゲームの課題は同じなのではないか?」ということ。どちらもついついグラフィックの美しさや物理エンジンなど機能面に目がいってしまうが、実はユーザーは機能よりも「コミュニケーション」に惹かれてサービスを利用しているという側面がある。仮想世界もオンラインゲームも今後は「いかに居心地の良い空間を作るか」「いかにユーザー間のコミュニティを醸成するか」が鍵となるのではないだろうか?そしてそれをとことん追求してゆくと、いずれは仮想世界とオンラインゲームの垣根も無くなってゆくのではないかと思う。
尚、本書後半にはユーザーへのアンケート調査データや国内外の主要オンラインゲームタイトル別の分析データなどが収録されている。
32,000円という値段から個人ユーザーではなかなか手が出づらい書籍ではあるが、ゲーム業界に興味があるのであれば読んでみて損はないだろう。










