
かつてインターネットは、それ自体が目的であった。10数年前、「趣味はネットサーフィン」といっていたころがまさにそうだった。しかし現在、インターネットはSNSやブログを読んだり、メールを送ったりといったサービスを利用するための単なるインフラ、メディアとなっている。よく言われることだが、この10数年前の状況が、今度はメタバースで起こっているように思えるのだ。そう考えると、メタバースがそれ自体を目的とする人以外にもより広く活用されるためには、メタバースをメディアとして利用し、その特性を生かしたサービスがもっと出てくる必要があるのではないか。
こうした動きは少しずつではあるが見え始めている。
例えばセカンドライフの「ネオクーロン」というSIM。このSIMは10年前に発売された「クーロンズゲート」というゲームの世界観を再現しているのだが、このオープン時にセカンドライフ内で訪問者にインタビューしたところ、複数のユーザーから「ネオクーロンに入るためにセカンドライフを始めた」という話を聞き、驚いたことがある。その人たちにとって、目的は「ネオクーロン」であり、セカンドライフは単なる手段にすぎない。提供側にとっても、セカンドライフを使ったのは「クーロンズゲート」の世界観を表現するのに適したメディアであったということが主な理由であるように思える。
そして、さらに大きな「実験」ともいえる試みが10月24日(米国時間)からアメリカで始まる。
アメリカの人気ドラマ「CSI:NY」では、ドラマ中のストーリーと連動したイベントをセカンドライフ内で展開する。視聴者はセカンドライフの中で捜査を行い、犯人を追いつめていく。制作を行ったThe Electric Sheep Companyではこのイベントを通してセカンドライフへ流入するユーザー数を10万人規模とも見積もっている。また、同社はユーザーに向けて独自セカンドライフビューアーを配布する予定で、こうした試みも注目される。
結果次第では同様のフォーマットが日本をはじめとした世界各国で展開されるかもしれない。期待したい。
(写真はVirtual World Conferenceでスピーチを行うCSIのエグゼクティブ・プロデューサー、Anthony E. Zuiker氏)
CSI:NY - CSI:NY in Second Life
CSI: NY Second Life Virtual Experience [Zuiker]







