箱田雅彦の編集後記

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インワールドレポーターChizzy DilleyさんとVirtual World of the Year 2007を振り返る

インワールドレポーターChizzy DilleyさんとVirtual World of the Year 2007を振り返る


2月7日の「Virtual World of the Year 2007」記念イベントを終えた翌週のある昼下がり、アワードでもなにかとご協力いただいたインワールドレポーターChizzyDilleyさんと「Virtual World of the Year 2007」を振り返って話を聞いた。Chizzyさんは日本初のインワールドレポーターとして非常に精力的な取材活動を展開しており、そのアクティブさは一時「Chizzy Dilleyさんは3人いるのでは!?」とまことしやかにささやかれたほど。


―― Chizzyさんはかなり長く、といってもここ1年半くらいですが、初期からセカンドライフで活動していますよね。


そうですね。でも、思い返してみると去年の最初のころはほとんど日本のSIMはなかったんですよね。そうした中で(歌舞伎町をモデルにした)「KABUKI」などが出てきて。あれは私自身も衝撃的でしたが、その後にデザイン性やコンセプトのあるシムが本当に増えましたよね。


―― アワードができるくらいに(笑)そういう意味で、やはり今回のアワードはセカンドライフが中心でしたが、Chizzyさん的には「Virtual World of the Year 2007」を振り返っていかがでしたか?


ノミネートも大変だったと思うけど、最初のデザイン部門からして、すべて、一つ一つが異なる方向性でのデザインやアイディアをもっていて、難しい審査だったと思います。それぞれに評価すべき特徴があって、いい意味でいわゆる「本命」がない。


―― 確かに。どれが大賞でもおかしくなかったと思います。そして「兼六 kenroku」が大賞に選ばれたのですが、Chizzyさんはリアルの兼六園にも行ったことあるんですよね。


セカンドライフのセミナーが金沢であった時に東京やら大阪からも集まってという話しですね。実は、別の仕事で急遽いけなくなってしまったのですが、参加した人たちに後日談を聞いて大笑いしました。楽しみ方が他の団体と明らかに違っていたそうで、ベンチや看板みたいな何の変哲もないものに「セカンドライフと同じだ!」って感動して写真を撮ったりしていたそうです(笑)。あまりに"SL関係者ご一行様が"が感動しているので、周りの関係ない旅行者の人たちもそれを珍しいモノだと思って真似して写真を撮ったりしていたそうです(笑)


セカンドライフで実際の建物や風景などを再現した場所が結構ありますが、セカンドライフで行くと実際にも行きたくなります。それから実際に行くとリアルの旅行体験だけでなく、(バーチャルワールドで体験した分)プラスアルファで体感できる感覚がありますね。


―― その感覚はあります。他の部門はどうでしたか?


話題部門にノミネートしていて審査員特別賞を受賞した「セカンドライフでの音楽活動」はやはりバーチャルワールドの可能性を感じますね。セカンドライフでアマチュアの人が表現の場を得たということも大きいんだけど、プロアマレベルの人も結構活動していることを考えると、そうしたプロの演奏を場所の隔てなく「ライブ」で聴けるようになったことも大きいと思います。リアルでは地方だけで活動しているアーティストもバーチャルワールドでは場所の制約はなくなりますし。それに観客の立場からいうと、身体的な問題とか様々な問題でリアルのコンサートに来られない人もバーチャルワールドなら来られる。気づきにくいけれど、そういった点も重要ですね。


あと、大賞をとった日本テレビの「デジタルの根性」は、話題性もそうなんですが、セカンドライフを好きな人が集まってできたという感じがしてとても雰囲気がいいですね。


―― テレビ関連の企画というと、企画部門にもいくつかありました。


「テレビ東京・テレトロ祭り」と「ぜんタネTV」ですね。企画部門はどれも「最初にやった」というのがすごいと思います。「テレトロ祭り」もあの時点でコミュニティ運営やクロスメディア展開の必要性などをわかってやっていたのがすごい。ブログもつくってきちんと仕掛けていましたし。「ぜんタネTV」では撮影現場にもお邪魔したんですが、「(出演者が)本気で楽しんでいる様子を伝えたかった」という話を聞いて、わかっているなあと思いました。「SENGOKU」の最初の頃は、誰が運営しているのか分からなくて、あとから読売広告社が運営していることを知りました。企業くささがないのがいいですね。その意味ではリクルートの企画もよかった。セカンドライフでの取り組みが多いですが、スプリュームなど他のバーチャルワールドを活用したイベントがもっとでてくるといいと思います。


あと思い出深いのは「バーチャルワールドサミット2007」ですね。(ゲストで来ていた米Millions of us社CEOの)ルーベンとはセカンドライフでは交流があったんですが、その時初めてリアルで会ったんです。Chizzyだと名乗ったら「Oh!Chizzy!」って言いながら抱きしめられました(笑)


―― セカンドライフの中で親しくなった人とリアルで会う時の感覚って、リアルに知っている人とセカンドライフ内で会う感覚とは逆の感じがありますよね。セカンドライフの中にコミュニケーションの起点があって、それがファーストライフというような。企画部門は「平成19年新潟中越沖震災募金活動」が大賞をとり、「八国山アイランド」も特別賞をとるなど、社会活動がピックアップされた格好でした。


「平成19年新潟中越沖震災募金活動」は実績を出しつつ、きちんと続けていることが評価の高い理由ですね。スポットでのチャリティというよりは、トータルで何かをやり続けられる場所であるという点に注力して、企業の社会貢献などでも今後多いに活用して欲しいですね。それに、リアルだったら時間や場所などの制限でボランティアをやりたくてもできない人がいたかもしれないけど、バーチャルワールドでその制約を取り除くことができたという特色はバーチャルワールドならではのものがあります。


―― その点は「セカンドライフでの音楽活動」にも通じていますね。その他の部門では、コミュニティ部門が「Neo Kowloon(ネオクーロン)」、テクニカル部門が「チャット翻訳HUD『EXP』」がそれぞれ大賞という結果でした。「Neo Kowloon(ネオクーロン)」はSNSと組み合わせてコミュニティを活性化させた試みが、「チャット翻訳HUD『EXP』」は今実際に使えて便利という実益が評価された形です。そして残るは企業部門大賞ですが…。


杉山審査員長が所属する「デジタルハリウッド株式会社」が大賞に(笑)


―― これは事務局の配慮が足りなかったと反省しています…。でも、一般投票や審査員の方々の評価も高かったですし、バーチャルワールドへの貢献という面で「デジタルハリウッド」が大賞になりました。その他のノミネート企業の中では「株式会社三越」が異彩を放っています。


三越さんはインターネットで通販を始めたのも早かったですし、伝統ある企業でありながら、新しい試みをしていくという姿勢が頼もしいですね。


―― ここまでアワードを通して2007年を振り返った形ですが、インワールドレポーターとしては最近の状況をどう見ていますか?


落ち着いたといわれているけれども、この1月や2月にも結構案件出てきていますし、それぞれが試験的な取り組みを行っています。2007年は「参入」ラッシュでしたが、現在活用している方々の姿勢を見ると、そろそろ「参入」という表現はやめてもいいんじゃないかと思います。3Dコミュニティで何ができるのか、というくらいで。例えば「3Dオークション」などもそうですが、3Dが表現ツールとしてどう活用できるのかということを考えていくといいかもしれませんね。

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