
「Virtual World Conference & Expo 2008」ではカンファレンスの最後に行われたパネルディスカッションのモデレーターを務めさせていただいた。カンファレンスを締めくくるセッションということもあり、大いに張り切りつつも緊張した時間だったわけだが、登壇者の皆さん、また会場に来てくださった皆さんのおかげでなんとか無事に役目を果たすことができた。
ここでその模様をすべてお伝えすることは難しいが、登壇された皆さんの見解から、私が感じた現在の課題やメディアの役割などについて記しておきたい。
■バーチャルワールドは「あっちの世界」
「メディアから見たVirtual Worldの可能性」と題した本パネルディスカッションでは、インプレスの井芹昌信氏、日本テレビの土屋敏男氏、電通国際情報サービス(ISID)の渡邊信彦氏、博報堂DYメディアパートナーズの片岡遊氏、マグスルの新谷卓也氏、と、各方面を代表する方々にご登壇いただき、その見解を述べていただいた。
そこではバーチャルワールドが置かれている、ある状況について語られた。「バーチャルワールドは一般の人にとっては『あっちの世界』」だと渡邊氏は表現する。これは、バーチャルワールドに親しんでいる人とその他の人の間にある「理解の壁」の存在を指している。これについては各者それぞれの言葉ではあったが、同様の見解を持っているようだ。
これはバーチャルワールドに限った話ではない。3月に開催されたOGC2008(オンラインゲーム&コミュニティサービスカンファレンス2008)ではオンラインゲーム業界が直面する問題として、一般のオンラインゲームへの理解不足が挙げられていた。理解が伴わないために、オンラインゲームというものに対して漠然とした不安を持ってしまうのだという。
バーチャルワールドの活用を考える前に、そうした一般からの直観的な理解や、それを「知っている」という安心感を醸成することが重要だ。
ではどうするか。
■今は「包む」フェーズ
まずはバーチャルワールドを活用した取り組みがより魅力的なものとなるようにあらゆる面で質を上げていき、「理解したいもの」になることが必要だ。より使いやすいインタフェース、より面白いコンテンツは当然ながら、ハードウエア/ソフトウエア的なハードルを引き下げてよりアクセスしやすくすることも必要となる。これらについてはセカンドライフだけでなく、他のバーチャルワールドサービスでも様々な形で試みられている。
そして次に、(これらが十分に魅力的であることを前提として)これに対する一般の理解を推し進め、より多くのユーザーにその魅力を知ってもらう「きっかけ」を作ることが必要だ。
井芹氏は雑誌など既に一般化しているメディア(媒体)を「受け取りやすいメディア」と表現した。バーチャルワールドはまだ一般的には「受け取りにくいメディア」であるため、雑誌など「受け取りやすい」形で伝えていくことが必要なのだと話す。井芹氏はこの段階を指して「包むフェーズだ」と語った。
この「包んで」伝え、「きっかけ」を作り出すことこそが、今のテレビ、雑誌、Web等既存メディアができることなのではないだろうか。
パネルディスカッションではこれ以外にも多くの示唆を得ることができた。これらは今後のセカンドタイムズの運営を通して伝えていきたい。









