米国外での発売延期によって注目度を増した感のあるアップルの新タッチデバイス「iPad」だが、筆者は延期発表前の4月初旬に米国に行く用事があり、運よく手に入れることができた。期待しつつも当初は「大きなiPod Touch」というくらいの認識でしかなかったのだが、実際に使って感じたのはiPod TouchやiPhoneで洗練されたタッチインタフェースが大きな画面で実現されることによって操作体験そのものが変化していく予感だった。
こうしたインタフェースの変化の影響は特にゲーム分野で顕著だ。WiiやニンテンドーDSがいい例だろう。加えてiPadは従来よりも大きな画面を持つことによって出力インタフェースとしての魅力も増している。すでにiPad専用アプリの3分の1はゲームだといわれる中、6月28日にはサンフランシスコで「iPadゲームサミット」の開催も予定されている。モバイルで見る3D仮想空間は画面の小ささゆえ没入する魅力を発揮しきれずにいたが、入力・出力のインタフェースの変化で操作感と没入感、双方の向上が図れるだろう。
iPadは従来のタブレット型コンピュータに対する漠然とした失望感を払拭してくれる製品といえる。3D映画や3D仮想空間もそうだが、初期に一度注目された技術は注目度の高さゆえ課題も目立つ。そのため、その後に改善された製品はまずユーザーが持つ従来の認識と戦わなくてはならない。操作インタフェースが課題とされた3D仮想空間にとって、iPadのタッチインタフェースは可能性のひとつを見せるものとなりそうだ。(THE SECOND TIMES編集長 箱田雅彦)
(東京IT新聞連載コラムより転載)


