昨年からの3D映画ブームは業界の本気度もあり、「定着」の域に達してきたように見える。また、大画面での3D映写システムは映画作品での利用の他にも、「ペ・ヨンジュン3D」のように純粋に3Dの臨場感を活かした利用も始まっている。これはいわゆるフィルムコンサートの3D化ともいえるが、記録された映像の上映だけでなくデジタル映写システムによって生中継にも対応できる点が新しい。6月にはFIFAワールドカップを3D生中継するイベントも計画されている。家庭内利用でもこの春は各社から3Dテレビ関連の発表・発売が相次いだ。
IT分野も例外ではないが少々異なる点がある。それは映画・テレビの3Dが一方通行な立体視の3Dであるのに対し、IT分野では双方向な概念としての3Dから始まっている点だ。
例えば、今年2月にはアップルがアバターを利用した3Dバーチャルストアの特許を取得したと報じられた。4月にはインテルのテクノロジー・エバンジェリストであるシーン・ケール氏が3Dインターネットが人々のオンライン体験に大きな変化を与えることを示唆した。そして5月にはグーグルがPCのデスクトップを3D化する「BumpTop」を買収した。一方、国内でも5月にアルクとNTTラーニングシステムズが3D仮想空間で英会話を学ぶ「バーチャル英会話教室」を開始するなどの例がある。これらは大きな流れの一部だ。
2つの3Dは3Dディスプレイ搭載PCやニンテンドー3DSなどのデバイスで融合していくだろう。情報処理空間としての3Dをいかに利用するか、考えるのは今だ。(THE SECOND TIMES編集長 箱田雅彦)
(東京IT新聞連載コラムより転載)


