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「Virtual World-Conference 2007」セッション1:今、何が起きているのか?

7月26日、六本木にて「Virtual World-Conference 2007」が開催された。ここではそれぞれのセッションの状況についてレポートしていきたい。


セッション開始前、事務局長の渡辺昌宏氏より、仮想世界のひとつであるセカンドライフが実際はマイナーな存在にも関わらず大きく報道されているという状況が話された。また、その反面、本当の可能性は明確になっていないということを示唆した上で、当イベントでは講演者だけでなく、会場のゲストからもフラットに意見をもらいたいという趣旨説明がされた。


最初のセッション、「今、何が起きているのか? 『仮想世界の現状』」ではタイトルの通り、仮想世界の専門家から現状を総括する形で行われた。ナビゲーターは本イベントの代表を務める深野暁雄氏が行った。


三淵啓自氏(デジタルハリウッド大学院教授 セカンドライフ研究室室長)
「仮想世界は感性を形にして共有できる」



これまでの文字や言葉による一般的なコミュニケーションでは概念の共有までしかできないということの限界が述べられた。例えば「犬」という概念は動物の種類という意味ではほぼ共有されるが、その見た目の色や形までは共有できない。
しかし、3Dならばより具体的にイメージを伝えることができる。それはモノだけでなく、ネットワーク化された空間によって環境を共有することも可能だというのが仮想世界の大きな特徴であるという。


同氏は、こうした考えが潜在的なニーズに沿ったものであることを示す例として、メールで使われる絵文字・顔文字をあげた。文字だけでは感覚を共有できない部分を、絵文字・顔文字で補完しようとしているといえる。感覚・直感を共有できるツールが必要という流れに対し、これを実現するものとして仮想世界があるとの見解を述べた。


福岡俊弘氏(株式会社アスキー取締役 週刊アスキー総編集長)
「仮想世界はまだ黎明期前」



セカンドライフなどの仮想世界の現状は、インターネットの黎明期に似ていると言われるが、同氏は「実はまだ探検のフェーズで黎明期にも達していないのではないか」という。セッション後、個別に「仮想世界の可能性」について質問した際に「(可能性を)信じようとしている」と、過程の中にいる状況を述べたのも、こうした現状をふまえてのことなのだろう。しかしながら、セカンドライフのようにユーザーが作り上げたコンテンツが蓄積されていく点を魅力として重要視しており、こうした情報の総量が積み上がっていくことが、仮想世界の位置づけを変える大きな要因となる可能性も同時に示唆した。


梶塚千春氏(株式会社スプリューム 代表取締役)
「閉ざされた3DCGの世界を『抜ける』仕組み」



もともと3DCG(コンピュータグラフィックス)の企画制作にかかわっていた梶塚氏は1985年前後の3DCG制作時に体験したある感覚について語った。

「当時は3DCGをプログラミングするにも方眼紙のモデルからデータを起こし、テキストエディタで入力を行っていた。そうしたことを繰り返しているうち、作業が終わるころには頭の中にその3Dモデルが確かにあるものとしてイメージされていた。」

それは現実にはないものがデータを介して頭の中に再構築された「仮想世界」だった。

そうした形で仮想世界を早期に感じた同氏だが、次第に3DCGにある種の閉そく感を感じるようになってきたという。「空間が『閉ざされている』という感覚」と表現した同氏は、これを解決するため「閉ざされた世界を『抜ける』仕組み」として「空間リンク」の概念を開発した。これを具現化した仕組みが3Dコミュニケーション・プラットフォーム「splume(スプリューム)」に搭載されている。

こうした空間の活用には人と人が交流することがまず前提にあり、それを実現するプラットフォームとして3Dがある、という見解を示した。


新 清士氏(ゲームジャーナリスト 立命館大学映像学部講師)
「『日本にとって』新しい仮想世界」



新氏は、セカンドライフが日本において今大きく取り上げられている理由について海外との経緯の違いをあげた。海外ではMUD(Multi-User Dungeon)と呼ばれるテキストのやりとりによる多人数オンラインゲームが過去にプレイされていたという実績がある。また、ゲームのカスタマイズ(改造)もよりポピュラーであったという経緯から、多人数でプレイでき、自由度の高いセカンドライフは全く新しいものではなく、むしろ過去の延長として位置づけられた。対して日本の場合はこうした経緯が薄かったことから、過熱気味に反応しているのではないかと述べている。


さらに、セカンドライフのような仮想世界サービスは今後もたくさん出てくると予想しているが、同時にこのままではコミュニティの分断が避けられない。しかし、これについてはパネリストの間で「統合の方向に行くだろう」との見解が示された。


セッション1は50分の時間が割り当てられていたが、これらを取りまとめるためにはやはり足りなかったようだ。


Virtual World-Conference 2007
http://www.virtualworld-conference.net/


関連ニュース
【速報レポート】バーチャル・ワールドカンファレンス2007開催
http://www.secondtimes.net/news/japan/20070726_vwc.html


「Virtual World-Conference 2007」セッション2:事例紹介企業の挑戦
http://www.secondtimes.net/news/japan/20070727_vwc_session2.html


「Virtual World-Conference 2007」セッション3:これから何が起きるのか?
http://www.secondtimes.net/news/japan/20070727_vwc_session3.html

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