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【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興

経産省は拡張現実の夢を見るか------CEDEC 2008では、ゲーム開発の話題だけでなく関係省庁の取り組みについても発表された。


「国とゲームと一体何の関係が?」と一瞬疑問に思ってしまうが、実は2006年7月7日に為された閣議決定「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」において、映画やテレビ番組、ゲーム、音楽、書籍などの「コンテンツ産業」の規模を、今後10年で5兆円伸ばすという方針が立案されていたりする。今やコンテンツ産業の振興は「国策」であり、国をあげてコンテンツ産業全体を盛り上げようというわけだ。
この方針については、実はお隣の韓国・中国が既にかなり本格的に取り組んでいる。特にMMO先進国の韓国では、教育現場でのゲーム活用やゲーム関連教育機関の設立、産学連携のゲーム研究と様々な試みが行われており、ゲーム業界への国の支援・補助も充実している。さらにゲーム開発者は兵役を免除されるという特典まであるそうで、今後はeスポーツで選手として活動しているゲーマーにも兵役免除を拡大させることが検討されているという。


それでは現在、日本ではどのような施策が為されているのだろうか?経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課の加藤幹也氏が、「経済産業省の取り組み」と題した講演で説明した。


【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興
経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課 加藤幹也氏


経済産業省では、日本のコンテンツを海外にPRするため、CEATECや東京ゲームショウ、東京国際映画祭などの各種イベントが連携した世界最大規模の統合的コンテンツフェスティバル「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」(以下CoFesta)を開催している。


【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興


CoFesta
http://www.cofesta.jp/


同イベントは、二階俊博大臣(当時)のイニシアティブにより提案されたもので、昨年甘利大臣主導のもと第一回目が開催され、約80万人の来場者を記録したという。
今年は9月30日(火)~10月28日(火)の一ヶ月にわたり開催。会期のほぼの10月16日(木)に表参道ヒルズにて「グランドセレモニー」を開催し、国内外関係者が一堂に会する場を設ける予定とのこと。


同省ではこのCoFesta開催も含め、コンテンツ分野における長期的な取り組み課題を20項目に分類し時間軸上に整理した「コンテンツ技術戦略MAP」を2005年より発表、以降毎年改定している。


【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興


因みにこのMAP、以前「自衛隊がガンダムを開発するらしい」「経済産業省がバーチャルアイドルを作るらしい」とその内容が2ちゃんねる上で話題になり一躍その名を知られるようになったとか。さすがにガンダム開発は突飛なような気がするが、同MAPには実現可能かどうかは別として様々な斬新且つ未来的なアイデアが掲載されていた。
中でも特に印象に残ったのは、「オーギュメンテッド・リアリティ(拡張現実)」を活用した地域経済振興対策「eクリエイション空間コンセプト」だった。


【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興


これは「デジタル街ブラウザ」を通して見た街の風景に、その地域の店舗情報など様々な拡張情報を重ねてしまおうという試み。通常、「いつでも、どこでも、誰にでも」提供されるべきWeb情報を敢えて逆さにし、「今だけ、ここだけ、あなただけ」の情報を発信することで、個性をなくした準パブリック空間にもう一度個性を回復させるというわけだ。
また具体的な例として、六本木にある三つの美術館で囲まれた三角形の地域で、それぞれの美術館が展示している作品を携帯で鑑賞できるようにする「空中美術館」も提案された。これは2008年度に予備的実験を行い、翌年度には首都圏の大型商業施設や地方の商店街を舞台にした実証実験が予定されているという。


【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興


【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興


こうした具体的な予定があると知らされると、何だかアニメ「電脳コイル」の世界に徐々に現実世界も近づいてきているのではないかと思ってしまう。さすがにまだゴーグルを使用したオーギュメンテッド・リアリティはまだ先になりそうだが、その前段階として携帯電話など身近なガジェットを使用した試みは今後様々な形で増えていくのではないだろうか?


尚、「電脳コイル」と言えば、こちらもCoFestaの一環である「次世代コンテンツ技術展」(以下ConTEX2008)にて、現在の科学技術でアニメの世界をどこまで現実にできるかというテーマ展示が行われるという。その中には「電脳コイル」のメガネをはじめ、「攻殻機動隊」の光学迷彩など興味深い最新技術が多数展示されるとのことなので、興味のある方は見に行ってみよう。


【CEDEC 2008レポート】「経済産業省の取り組み」---拡張現実を活用した地域経済振興


ConTEX2008
http://www.dcexpo.jp/contex/


経済産業省
http://www.meti.go.jp/


関連記事:
【CEDEC 2008レポート】基調講演:コーエー松原氏の「CEDECの10年、これからの10年」
【OGC2008レポート】「電脳コイル」で見る拡張現実の未来

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