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【東京ゲームショウレポート】仮想世界とゲーム、SNSの衝突---その先の「MMO2.0」とは?

10月10日(金)に行われた「TGSフォーラム2008」の特別招待セッションに、アメリカのゲーム開発会社のTurbine社の社長兼CEOであるJim Crowley氏が登壇し、「バーチャルワールド、オンラインゲーム、SNSの衝突」と題した講演を行った。


【東京ゲームショウレポート】仮想世界とゲーム、SNSの衝突---その先の「MMO2.0」とは?


【東京ゲームショウレポート】仮想世界とゲーム、SNSの衝突---その先の「MMO2.0」とは?


Turbine社は、「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」をモチーフとしたオンラインゲーム「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」を開発した会社として知られている。Crowley氏はそんなゲーム会社ならではの観点から仮想世界とゲーム、SNSが衝突し重なり合っている現状を分析した。


氏はまず、近年ソーシャルネットワークテクノロジーが大きく発展し、人間のコミュニケーションそのものも進化したが、それを利用しているユーザーは二極化が進んでいると述べ、「現在40代前後のデジタル技術を『学んできた』世代と、1995年以降に生まれた『ボーン・デジタル』世代が存在する。そして今後主なプレイヤーとなっていくのは技術を学ぶことなく自然に使いこなす『ボーン・デジタル』世代だ」と説明した。つまり、現在の若者は生まれた時から生活の中に仮想世界があるのが当たり前なので、わざわざ学ばなくても仮想世界の中で公共性のある生活ができるというわけだ。そしてそのような世代に、所謂”旧世代”の手法である、企業がブランドを定義するマーケティングは通用しない。氏はそんな「ボーン・デジタル世代」に合わせてサービスを考えていく必要があるとしたうえで、SNSと仮想世界、ゲームのそれぞれの長所と短所について説明した。
氏の考えるそれぞれのサービスの長所・短所は以下のとおり。


【SNS】
■長所
・簡単にできる
・情報の発信と共有が簡単
■短所
・閉鎖的である
・没入型ではない


【仮想世界】
■長所
・表現方法が無限
・広告収入のビジネスモデルと親和性が高い
■短所
・何をしてよいのか分からない
・コンテンツ不足


【ゲーム】
■長所
・没入型である
・やることがある
■短所
・すぐ飽きられる
・閉鎖的である
・表現方法が制限される


氏曰く、これら3つのサービスの”良いとこ取り”をしたのがMMOなのだという。


【東京ゲームショウレポート】仮想世界とゲーム、SNSの衝突---その先の「MMO2.0」とは?


しかし氏曰く、現在のMMOはまだまだ「ゲーム寄り」で世界が閉鎖的である点を指摘。「『ボーン・デジタル』世代は自分の経験を誰とでも共有しようとしている」と語り、MMOはもっとオープンな形に進化しなければならないとし、これを「MMO2.0」と表現した。


そしてTurbine社で行っている、ゲームの「インワールド」の情報をSNSで共有するという試みが紹介された。SNSでユーザーは、自分の顔写真と並べて自分のキャラクターの画像を貼ることができ、日記を書いたり画像や動画を貼ったり、他のユーザーと友達登録ができる。同期型コミュニケーションであるMMOに、非同期型のコミュニケーション機能も追加して、よりユーザーに情報共有とコミュニケーションの機会を与えたサービスだ。
最後に氏は、「ゲームと仮想世界、SNSが融合した『MMO2.0』がどこへ向かっているのかは分からない。しかしその進化はきっと豊かなものとなるだろう」と語り講演を締めくくった。


この世にMMOが誕生した当初は「いかにユーザーを獲得するか」という点が課題となっていた。しかし一定のユーザーを獲得した今では「いかにコミュニティを醸成するか」が課題となっているわけだ。これは仮想世界がこれから辿る道とも考えられる。今回の氏の講演はMMOの視点から語られたものだったが、内容はゲームだけに留まらずWebサービス全体にも言えることで、「Web2.0」を思わせるようなものだった。


尚、氏の講演中で語られたゲーム(と仮想世界)とSNSの融合だが、実は既に日本でもかなり進んだ試みが行われている。
仮想空間の観点から例を挙げると、ゲームが作れる仮想空間「ViZiMO」は最初からSNSの形式を取っているし、Splumeは今年に入って「SNSの中に3Dの仮想世界がある」という形式にリニューアルした。また「ダレットワールド」はインワールドとのリンク機能を持つ「ダレットブログ」を提供しているし、「POKIPOKI」は携帯からも閲覧できるプロフィール公開機能を実装している。またスクウェア・エニックスにはユーザーにSNSと仮想空間を提供するポータルサイト「スクウェア・エニックス メンバーズ」がある。
そう考えると、氏が語った「ゲームと仮想世界、SNSの融合」については、日本は結構進んでいるのかもしれない。


ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影
http://www.lotro-japan.com/


Turbine
http://www.turbine.com/


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