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【レポート】3Dのメリットとは?「直観的に使える3Dインタフェースの開発と展望」開催

12月11日、ビジネスセミナー「直観的に使える3Dインタフェースの開発と展望」がISS産業科学システムズ主催で開催された。アバターを介したバーチャルワールドに関するセミナーでは比較的ユーザー同士のコミュニケーションが主テーマとして語られることが多いが、本セミナーは3Dインタフェースの特性により注目し、掘り下げる内容となった。


ここではその一部を紹介したい。


■3D空間でインタフェースの世界観を表現


【レポート】3Dのメリットとは?「直観的に使える3Dインタフェースの開発と展望」開催


最初に登壇した株式会社ヤッパ 制作・技術本部 デザイン部長の松川進氏は、今、UI(ユーザーインタフェース)が再び注目されている理由を「デバイスが扱う情報量・機能が肥大化してきたため」と話す。扱う情報量が膨大になった結果、ハードウエア的なボタンなどだけでは効率的に制御できない。情報をどのように伝え、ユーザーからどのようにレスポンスを受けるか、全体を通してのインタフェースデザインが必要になっている。


また、松川氏は様々な商品の価値が、従来の数値的なスペックで表わされる「技術性能」から、使いやすさや面白さをどう出せるかという「感覚性能」に移ってきたと指摘した。同氏は感覚性能に求められる要素を具体的に示しながら、こうした要素を表現する上での3Dインタフェースの優位性を述べた。


そのメリットのひとつはインタフェースの一貫した世界観を表現できるということだ。松川氏は3Dインタフェースの有用性を「圧倒的」と表現した。ただし、同時にこの世界観は慎重に維持する必要性も指摘。具体的な方策を示した。


このほかにもユーザーインターフェースカンパニーを標榜するヤッパが持つ、様々な知見が披露された。


■3Dマウスも今のマウスも両方使われていく


【レポート】3Dのメリットとは?「直観的に使える3Dインタフェースの開発と展望」開催


3Dマウスを提供する3Dコネクション インクの日本支社長、松浦武敏氏による講演はマウスの歴史から始まり、これらは「手に触れる重要なもの」であるとした。3Dマウスは台座に円筒形のつまみがついた形をしており、このつまみを前後左右に動かしたり、ひねったり、上に持ち上げたり押し下げたりすることで操作する。


ところで、3Dマウスについてよく聞かれることとして、3Dマウスが普及したら従来のマウスはなくなってしまうのか?という質問があるという。これについて同氏は、そうしたことはないと話す。


「マウスが登場した時は『マウスがあればキーボードは不要になるのか』と言われたが、そんなことはない。同じように、3Dマウスも今のマウスも両方使われていく。」


それは「ポインティングとナビゲーションの操作は別になる」ことが基本であるからだ。デスクには左から3Dマウス、キーボード、2Dマウスの順で置くことで左手がナビゲーションを受け持ち、右手がポインティングに専念できるという。これによって、すべてを従来のマウスで行った場合に生じる直列操作による効率ダウンを回避できるメリットがあるとした。


これはすぐにはイメージできないかもしれない。しかし、松浦氏は固定概念を覆すユーザーニーズがあると述べる。PCの操作はマウスとキーボードで行うと思いこんでないか、今一度問いなおす必要があるかもしれない。


■自分の視点でどう楽しめるか


【レポート】3Dのメリットとは?「直観的に使える3Dインタフェースの開発と展望」開催


本セミナーで最もバーチャルワールドに近い位置付けだったのは3Di株式会社 取締役/CTOの鎌田卓氏による講演だった。「インターバースという新たな概念」と題し、アバターを介した3Dインタフェースのメリットを実際のデモも交えながら述べた。


鎌田氏は3Dインタフェースによってユーザーは商品の陳列場所などを感覚的に記憶できるため、長期記憶に適していることを指摘。ユーザーナビゲーションに有用であることを示した。


また、3D空間を閲覧する際のユーザー負担を軽減するため、同社では専用アプリケーションではなく、Webブラウザで閲覧できる「インブラウザビューア」の開発も進めている。さらに能動的にコンテンツを楽しむユーザーだけでなく、受動的なユーザーも楽しめるよう自動的に3D空間内を回遊する仕組みも持つ。「ユーザーが自分の視点でどう楽しめるか。様々な視点で楽しめるからこそ、お金を払ってもらえる。」と鎌田氏は話す。


■「インタラクション」をデザインする


【レポート】3Dのメリットとは?「直観的に使える3Dインタフェースの開発と展望」開催


最後の講演は日立ヒューマンインタラクションラボ(HHIL) 丸山幸伸氏による「顧客経験価値とインタラクションデザイン」だった。


「昔は液晶もついていないデバイスが多かった」長くインタフェースデザインに関わる同氏はそう語る。その後、デバイスが高機能化するに従って、大画面の液晶が付き、その中でのインタフェースデザインが必要になってきた。ハードウエアのデザインだけではユーザーとのインタフェースを賄えなくなってきたのだ。
丸山氏は今後のキーワードとして、「直観的に訴える感覚」「脱マウス、脱キーボードの操作性」「インタラクション開発の今後の可能性」を挙げ、インタフェースだけではなく「どう情報を受け取り、つきあうのか」というインタラクションが重要になると述べた。


そうした中で、2001年に発表した一切のボタンを排除したモバイル端末「Waterscape」など、これまでに発表された様々な事例を挙げながらキーワードを解説した。


また、これからのインタフェース設計にはユーザーの「力」をどう活用するかも重要であると指摘する。影響力のある「リードユーザー」をいかに探し出すか、具体的な手法を交えた説明は興味深いものだった。


3Dインタフェースは表示デバイスも含めて未だ過渡期というが、現実世界の法則を持ち込みやすい3D空間は、万人にわかりやすいインタフェースとなる可能性を秘めている。各講演の中にその片鱗を見た気がした。


株式会社ISS産業科学システムズ
http://ebrain-j.com/

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