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はてなブックマークへ追加 livedoor クリップへ追加 Yahoo! ブックマークへ追加 【VWCE in L.A.レポート】「仮想世界普及の道のりは短距離走ではなくマラソン」---映画プロデューサーが語る映画と仮想世界

「Virtual Worlds Conference&Expo」1日目の基調講演、Sibley Verbeck氏に続いて登場したのは意外にも仮想世界業界人ではなく”映画プロデューサー”であるJon Landau氏だった。


【VWCE in L.A.レポート】「仮想世界普及の道のりは短距離走ではなくマラソン」---映画プロデューサーが語る映画と仮想世界

Jon Landau氏は、20世紀FOXの映画製作担当として「トゥルーライズ」に携わったのをきっかけに、以後ジェームズ・キャメロン監督と組み、「ダイ・ハード2」「ホーム・アローン」「ラスト・オブ・モヒカン」「エイリアン3」「ミセス・ダウト」「スピード」など数多くのヒット作の製作を指揮、98年に「タイタニック」でアカデミー賞に輝いた。現在はキャメロン監督の新作映画「Avatar」を製作中で、2009年の公開を目指して準備を進めているという。
また氏は意外にも、先日「Multiverse Places」を発表したMultiverseのアドバイザーも務めているとのこと。そこで今回の基調講演はMultiverseの創設者であるCorey Bridge氏とのかけ合いという形で進められた。


【VWCE in L.A.レポート】「仮想世界普及の道のりは短距離走ではなくマラソン」---映画プロデューサーが語る映画と仮想世界


講演の冒頭、まずはBridge氏がリリースされたばかりの「Multiverse Places」のプロモーション映像を見せながら概要を説明。


【VWCE in L.A.レポート】「仮想世界普及の道のりは短距離走ではなくマラソン」---映画プロデューサーが語る映画と仮想世界


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同サービスは基本的には3D仮想世界だが、オープンソースとなっているのでMMOのプラットフォームとしても利用できる。早速20世紀FOX製作の人気アクションホラードラマ「Buffy the Vampire Slayer(邦題:吸血キラー/聖少女バフィー)」をモチーフとしたゲームを開発、今年後半に予定されているβテストに向けて準備を進めているという。
このように、映画やドラマを仮想世界のコンテンツとして活用する事例は非常に多い。それを受けてか、今回のVirtual World Conference&Expoには「Virtual Worlds Hollywood」という講演の専門コーナーまで設けられたほどだ。


Landau氏はまず現在製作中の映画「Avatar」について説明。同作品は3年もの期間を費やして撮影したSF作品で、CGの最先端技術を駆使し全編3Dで製作するという実験的な映画とのこと。そのため規模としてはタイタニック級の大プロジェクトなのだという。映画そのものも実験的ではあるが、撮影手法もまた実験的で、仮想世界の中にあらかじめセットを作ってリハーサルを行ったり、”バーチャルカメラ”でアバターを撮影し構図を考えるといった試みも行われたとのこと。


氏曰く、「現在の仮想世界は昔の映画と同じ」だという。今でこそ映画は「エンターテイメント」という扱いだが、昔の映画、特に俳優の演技は「芸術」だった。しかし映画における観客は「受身」の存在であるのに対し、仮想世界はそこにいる全員が「参加者」になれるという違いがある。つまり、誰もが「芸術」に参加し提供する立場になれるということが重要なのだという。


また氏は最近facebookを始めたそうだが、その時子供に使いこなせないだろうと思われ「クレイジー!」と言われたそうだ。しかし使ってみたら非常に便利で、メールアドレスを知らない人とも連絡を取り合うことができたため映画の仕事も早く進み、大昔の旧友を見つけることもできたという。ここから氏は「ソーシャルネットワーク」の重要性に気が付いたそうで、「仮想世界に必要なものは、ゲームの要素と教育、収益化、そしてソーシャライズだ。」と分析した。
尚、先の「Multiverse Place」はまさにそのソーシャルネットワーキング化に注力しているそうで、仮想世界とSNSを組み合わせたオープンソース型の仮想世界として提供していくとのこと。


また氏は3D映画についても言及。「3D映画のゴールは実体的な空間を表現すること。世界をスクリーン上に映すのではなく、スクリーンを世界にしたい。しかし今の映画はスクリーンそのものが観客との間の”壁”となっており、観客は永遠に受身の側でしかない。それに対し仮想世界は”そこにいる”感覚が作れ、一体感や共有感を味わうことができる。」と語った。


そして最後に氏は、「仮想世界が新しい媒体となるのは間違いない。しかし本当に仮想世界が機能するようになるのは、皆が参加できる状態になった時だろう。仮想世界の未来は明るい。しかしその道のりは短距離競争ではなくマラソンだ。」と表現し、仮想世界の本当の普及には地道な努力が必要であることを示唆した。


先のSibley Verbeck氏の講演とJon Landau氏の講演に共通するのは、仮想世界は将来的には普及するだろうが、それにはまだ時間がかかるだろう…という認識だ。これはGartnerの発表にも通じるところがある。Gartnerの発表したハイプサイクルでは、現在の仮想世界業界はまだ「どん底」の一歩手前なのだから。しかし、それを超えた先に本当の意味での普及がある。
日本では、「セカンドライフ(=仮想世界)はもう終わった、では次は?」という記事が多く見受けられる。しかし、そもそもWebサービスとは「これが終わったから次はこれ」という「一直線上」にあるものだろうか?実際のところ、新しいWebサービスとは、従来からあるメディアや他のサービスとも有機的につながり「線」ではなく「面」を構成して、文字通り3次元的な発展をしていくものなのではないか。ちょうど現在多数出てきている、ブラウザ上で動作する仮想空間やSNSの中に埋め込める仮想空間がその役割を果たしていると言えよう。
両者の講演からは、「仮想世界は流行るのかどうか?」という考察の時期を既に越え、より仮想世界を便利で面白いものにするのはどうすればよいか、じっくり腰を据えて取り組んでいる欧米の仮想世界業界の姿勢がうかがえた。

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