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【VW Londonレポート】”世界”になるのではなく空間を”繋げる”Lively---Google Niniane Wang氏の基調講演~レポート(4)~

レポート(3)からの続き


今回のイベントの一番の目玉は、2日目に行われたGoogleのNiniane Wang氏の基調講演だろう。Wang氏はGoogleのEngineering Managerで同社の仮想空間「Lively」のEngineering Leadでもあり、Googleのエンジニアになる前はMicrosoftでFlightSimulatorの開発に従事していたという人物だ。
今年7月にLivelyが発表された際、多くの媒体が「Google版セカンドライフ」「Googleが遂にセカンドライフへ宣戦布告した」などと書きたてたが、今回のWang氏の講演は、Livelyはセカンドライフに代表される「仮想世界」とは基本的に違うタイプのサービスであることを示すものだった。


■Webをより一層ソーシャルなものへ
【VW Londonレポート】”世界”になるのではなく空間を”繋げる”Lively---Google Niniane Wang氏の基調講演~レポート(4)~
冒頭、氏はまず「我々がLivelyを開発した一番の理由は、インターネットがよりソーシャルなものになり、ユーザーは日々誰かと繋がるための方法を模索していると気づいたからであり、我々はユーザーにさらにソーシャルな方法を提供したかった。LivelyはGoogleの個々のサービスを統合し、ユーザーのWeb体験をより良いものに変えるものだ」と語った。つまり、今までのWebサービスの”あちら側”に世界を作るのではなく、これまで存在していたWebサービスを”補完”するものを作ったというわけだ。


また、Livelyは当初一般ユーザーをターゲットにしていたが、公開後すぐにe-ラーニングに活用したいという学校や団体、マーケティングツールとして使用したいという企業、自力で仮想空間を開発する資金や技術のない中小企業からも注目されるようになった。またアメリカ国内のユーザー以外の利用を想定していなかったが、その予想に反し世界各国のユーザーが注目するところとなり、公開後最初の一週間で最もアクセスが多かったのは、アメリカに並んでブラジルと中国だったという。


しかし、そうしてユーザーが増え、それに伴い公開される部屋が増えるにつれ新たな問題が浮上してきた。それは、「有害なコンテンツを発信する部屋」が増えてきたことだ。Livelyは13歳以上の対象年齢を設定しており、ティーンエイジャーのユーザーも多く存在する。そんな若者たちにアダルトな部屋を見せることはできない。そこで開発チームでは、YouTubeやオンラインアルバム「Picasa」に導入したような、ユーザー自身が有害コンテンツを発見した際に通報できるボタンを導入すると共に、自動検知ロボットも導入した。


尚、LivelyはGoogleのエンジニアに義務付けられている20%プロジェクト(就業時間の20%を興味のある分野のプロジェクトに使用するという規則)を利用して作られた、まだGoogle Labsに置かれた実験的なサービスで、この講演でもいつβ版を脱し正式公開されるのかは明かされなかった。しかし氏は、「現在優先的に検討されているのはMacへの対応と仮想通貨の導入。かつてはGoogle MapとGoogle Earthに連動させようという議論も為されたが、今はまだその段階ではない」と述べ、「我々は、Livelyを1つの完全な”世界”にするのではなく”アクセスプラットフォーム”にしたい。WorldWideWebでサイト同士がリンクし合うようにユーザーの空間を繋げ、ユーザーのコミュニケーションをより強化していきたい」と語った。


【VW Londonレポート】”世界”になるのではなく空間を”繋げる”Lively---Google Niniane Wang氏の基調講演~レポート(4)~


氏の講演内容は、先のリンデンラボCEOのMark Kingdon氏の講演にも通じるものがあった。この2者の講演の根底には「3Dインターネットは、これまでのWeb体験をより豊かにするものである」という共通のテーマがあるように思えた。


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レポート(5)へ続く


関連記事:
【VW Londonレポート】エンタメから訓練まで…企業出展ブースを振り返る(シミュレーション編)~レポート(3)~

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