【特集003】 2008年バーチャルワールドの展望を語る!

はてなブックマークへ追加 livedoor クリップへ追加 Yahoo! ブックマークへ追加 【特集:2008年バーチャルワールドの展望を語る!】第5回「バーチャルワールドエージェンシー」第2部 マグスル 新谷卓也氏

セカンドライフの日本人居住区を初期から展開し、自身で数々の取り組みを行うとともに企業参入もサポートしてきたマグスル。多くの日本人コミュニティがその居住区から生まれ、その活動の場は多くのクリエイターを生み出している。


同社代表取締役社長の新谷卓也氏にマグスルのこれまでと今後について話を聞いた。


【特集:2008年バーチャルワールドの展望を語る!】第5回「バーチャルワールドエージェンシー」第2部 マグスル 新谷卓也氏
代表取締役社長/CEO 新谷卓也氏


―― 2007年12月のマグスル1周年オフ会も大盛況でした。2007年を振り返っていかがでしたか。

とにかく早い1年でした。まず、想定していたよりも早くブームが来ましたね。夏くらいに想定して動きが春くらいにきました。そのため、体制作りが間に合わなかった部分もあったのですが、なんとか乗り切ったという感じです。その間は、お話しいただいた仕事をお断りせざるをえないこともあって、ご迷惑をおかけしてしまったこともありました。


―― これまでのところ、マグスルさんのビジネスは日本人居住区運営がメインというイメージがあります。


土地の賃貸を手がけたのが最初でしたが、だからといってそれが主というわけではないんです。当初、バーチャルワールドのビジネスがどういうものになるかがおぼろげだったので、ひとつに集中するのではなくていくつかに分散して取り組み、状況によってシフトを変えたいとおもっていました。


例えば、最初は私もバーチャルワールドをEコマースに使えないか、と思っていたのですが、それはまだ無理と思い、その他にいくつかのビジネスを検討しました。


中でもファッションブランドを立ち上げるのが一番面白いと思っていました。そして、そのためにはベースとなる日本人居住区が必要、と、それで始めました。日本人居住区としてのマグスルはクリエイターの活躍の場であり、インキュベーターの役割も持っています。


―― 結果的に大きなコミュニティができたというわけですね。一方、多くの企業での活用もサポートしていますが、そうしたコミュニティ運営と企業連携のシナジーはありますでしょうか。


シナジーは大きいですね。一部では企業が入ることに対する賛否がありますが、企業に対して「入ってくるな」というのは極論で、多くのユーザーはそうは考えていないと思います。2007年の企業参入ブームについても前からのユーザーは「なにかして騒いでいるな」というくらいでしょうね。ただ、ユーザーの中には企業が入ってきているからこそ、安心してセカンドライフを始められたという人も多いでしょうし、企業の方もそうしたユーザーコミュニティがあるから参入してくる。これは両輪なんだと思います。そのスパイラルができたというのが重要だったりしますね。


ところで、セカンドライフを初めて数ヶ月経つとマグスルってあまりおもしろくなくなるんですよ。もう少し刺激がほしくなるというか。マグスルは新しく入ってくる初心者向けに安全で安定した運営を目指しているので、物足りなくなるのはそれでいいと思っています。そうして「卒業」したユーザーが他で新たにコミュニティを作ったりして、その後にコラボしていければベストですね。すべてをマグスルが仕掛けて、運営して、回収して、というのでは面白くないですし(笑)


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―― 今のバーチャルワールドの状況を(急激なブームの後にいったん落ち着き、その後緩やかに上昇するという)「ハイプカーブ」になぞらえる向きが多いですが、こうした見方についてどう思いますか。


このビジネスを始めた当初に業界の動きを線で引いてみていて、そうなるだろうと想定していました。なので、急激なブーム後の谷をどうするかが問題でした。そう考えたとき、波の影響を受けやすい建物構築をビジネスのベースのするのは危険と考えていて、不動産事業をベースにしたかった。さらに、こうしたベースの部分を厚くしたいと考え、金融に関するビジネス、例えばリンデンドル販売とかネットマイルさんとのポイント交換のようなものを始めました。


―― そうした中、参入企業の意識は以前と変わってきた点はあるでしょうか。


当初はどうしてもブームにあおられていた感じもあって、「なんでもいいからなにかしたい」という話も多かったですね(笑)で、「なにしましょうか」というところから話し始めるという。


ただ、そのブームのおかげで、多くの書籍が出版されたり、ブログや記事などでそうした状況に対して賛否両論いろいろ書いていただいて、情報がひと通り行き渡りました。そうした情報のおかげで今は企業の方も冷静に判断していて、「バーチャルワールドはメディアミックスのひとつ」という理解になっています。現在協力させていただいているバーチャルワールドでのオークションについても、臨場感を出したり、エンターテイメント性を高めたり、そうした部分でバーチャルワールドを活用していますが、「オークション」というコンテンツはWebなど、他のメディアでも展開できます。そうしたいちメディアとしての捉え方をする方が増えてきましたね。今は「このプロモーションのこういう部分をセカンドライフでできないか」というニーズになってきた。マグスルとしては媒体作りをしてきたつもりなので、好ましい方向に変わってきています。


【特集:2008年バーチャルワールドの展望を語る!】第5回「バーチャルワールドエージェンシー」第2部 マグスル 新谷卓也氏


―― セカンドライフでマグスル東京などはそうした役割を持っていますね。ところで、このSIM(島)を5×5に並べるという構想はいつごろできたのでしょうか。かつてはバラバラに配置されていましたが。


25のSIMで構成する構想は最初からあったんですが、当時はSIMをクレジットカードでないと買えなくて、しかも、カードの利用上限もあまり高くなかったんで一度に買えなかったんです(編集部注:1SIM購入の初期費用は約20万円)。しかたがないので複数のアカウントで分けて購入したのですが、そうするとセカンドライフのルールで別アカウントのSIMは隣り合わせにできない(笑)


―― なるほど!(笑)


それであとから移動させたんです。


―― 以前、2008年からはセカンドライフ以外のバーチャルワールドへの取り組みも開始するとおっしゃっていましたが、その後動きはありましたでしょうか。


まだ発表できる段階にはないですが、積極的に動いてます。マグスルとしてはお声がけいただけるのはとてもありがたいという立場ですね。


―― 2008年のバーチャルワールド業界の展望とマグスルの動きについて教えてください。


バーチャルワールドに限らず、サービスにはライフサイクルがありますが、マグスルとしてはそうしていくつかのサービスが登場した後の「マルチバース」の状況をベースにこれまでもずっと考えてきました。


もともとマグスルは企業に対するセカンドライフの参入支援ではなくて、セカンドライフを楽しみたい人に対する情報提供サイトだったわけです。その立場でマルチバースを前提にやっていくためにはプラットフォームに対するアピール力が必要です。


バーチャルワールドを作ったらコミュニティを作ることは必須ですが、プラットフォーマーがそれを持っているとは限りません。そこで我々としてはセカンドライフの中にコミュニティを作り上げたという実績を見てもらって、そこを評価していただけたらベストだと思っています。


その上で「プラットフォームを立ち上げに協力してくれませんか」というようなお話が来るようになったらうれしいですね。


【特集:2008年バーチャルワールドの展望を語る!】第5回「バーチャルワールドエージェンシー」
第1部:メタバーズ
第2部:マグスル
第3部:メルティングドッツ


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